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100年以上受け継がれる佐伯の万能調味料『佐伯ごまだし』*日本語 Ver.*
100年以上受け継がれる佐伯の万能調味料『佐伯ごまだし』*English Ver.*
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総人口約67,000人の大分県佐伯市は、ユネスコエコパークの一角をなす森林地帯、番匠川水系の清流に恵まれた田園地帯、日豊海岸国定公園に指定されたリアス海岸からなり、総面積903㎞²は九州でもっとも広い市町村です。
佐伯市は古くから漁師町と知られ、中でも佐伯湾と豊後水道、黒潮が交わる鶴見地区は、年間350種類の多種多様な魚介類が水揚げされます。
そのため、この地域において「魚」は、江戸時代以前より町のアイデンティティとしての地位を確立し、今でも「大漁祭り」と銘打ったお祭が各所で開催されています。
なぜ、こんなにも漁業に恵まれているか?
それは偏に森林地帯から豊富なミネラルが番匠川を通じて海岸線に流れ込み、多様な生物が集まり、豊かな海を形成しているからです。
(江戸時代初期)佐伯藩初代藩主は沿岸部の木の伐採を禁じ、自然の循環を守ってきた結果「佐伯の殿様浦で持つ」と言われるほどになり、それは今でも我々佐伯に暮らす人々にも受け継がれています。
そうした環境の中、100年以上前に生まれた郷土の味が「佐伯ごまだし」です。
この地域のみに流通し、今でも広く知られていない食べもので、他府県ではほとんど見ることができません。
「佐伯ごまだし」とは?
多種多様な魚種が水揚げされた際に、商品価値の低い魚も混じっています。
「売れない魚」の代表「エソ」を捨てるのはもったいない、有効に使えないかということで、佐伯湾沿岸部を中心に独自発展を遂げます。
焼いた身をすりつぶし、ゴマと醤油を混ぜ保存のできる調味料として「佐伯ごまだし」が家庭で作られるようになりました。
一般的に「佐伯ごまだし」はエソから作られます。
エソは、硬い小骨が多く、調理するには手間がかかる上に、見た目も中々グロテスクなため、漁業においても主目的になりにくい魚でした。
佐伯ごまだしは一般家庭で保存食として浸透して、当時の流通の要所であった船頭町にある食堂で、はじめてうどんに「佐伯ごまだし」が乗せられ、「ごまだしうどん」として広まります。
多忙な漁師や作業員たちが、作業の合間に手短に食べられる利便性も相まって浸透したと云われており、佐伯市の恵まれた地形と、そこに暮らす人々の生活の知恵、生業の特異性が重なって生まれたのが「ごまだしうどん」です。
「ごまだし」は一般家庭から生まれ、家族で役割分担をしながら作るものでしたが、現代ではその手間のかかる作業から家庭で作られることは少なくなり、佐伯市内の店舗でも十数店舗が提供しているにとどまります。
しかし、我々の郷土の味として次の世代へ伝えるべく、市内飲食店での提供、イベントでの販売などで普及活動を続けています。
お問い合わせ先
佐伯ごまだし暖簾会事務局:(一社)佐伯市観光協会
TEL:0972-23-1101
FAX:0972-23-1146